標準ライブラリを活用:モジュールとimport
Pythonには、多種多様な機能をまとめた「標準ライブラリ」が用意されています。標準ライブラリを活用することで、複雑な処理を簡単に実装できます。本記事では、import文の使い方を中心に、標準ライブラリの活用例をご紹介します。
import文の基本
Pythonでモジュールを利用するには、import
文を使います。標準ライブラリとしてあらかじめインストールされているモジュールを読み込む場合は、以下のように記述します。
import math
result = math.sqrt(16)
print(result) # 4.0 が出力される
この例では、標準ライブラリのmath
モジュールを読み込み、平方根を求めるsqrt
関数を使用しています。
from構文によるimport
モジュール名を毎回書くのが面倒な場合や、特定の関数・クラスだけを取り込みたい場合には、from ... import ...
構文を用います。
from math import sqrt
result = sqrt(25)
print(result) # 5.0
これにより、sqrt
関数を直接呼び出せるようになります。
asで別名をつける
import
やfrom ... import ...
構文では、as
キーワードを用いてモジュール名や関数名に別名をつけることができます。可読性や記述量を調整したい場合によく使われます。
import math as m
print(m.pi) # mathモジュールの定数piを参照
または、
from math import factorial as fact
print(fact(5)) # 120
このようにして、元の名前を短くできるので、コードの見やすさを改善できる場合があります。
主要な標準ライブラリの例
Pythonの標準ライブラリは数多くのモジュールが含まれています。ここでは、よく使われる代表的なモジュールをいくつか紹介します。
- os: OS(ファイルパスや環境変数など)に関する機能を提供。
- sys: 実行環境やコマンドライン引数の取得に関する機能。
- datetime: 日付や時刻の操作を行うためのモジュール。
- json: JSON形式のデータを扱うためのモジュール。
- random: 乱数を生成するためのモジュール。
これらを活用することで、追加でライブラリをインストールしなくても便利な機能をすぐに使い始められます。
活用例:乱数の生成と日付の取得
例として、random
モジュールとdatetime
モジュールを使って、ランダムな数値と現在の日付時刻を同時に表示してみましょう。
import random
from datetime import datetime
random_number = random.randint(1, 100)
current_time = datetime.now()
print(f"ランダムな数値: {random_number}")
print(f"現在時刻: {current_time}")
このコードを実行すると、1〜100の範囲でランダムに生成した数値と、現在の日時がそれぞれ出力されます。
まとめ
Pythonのimport
文を使えば、標準ライブラリの豊富な機能をすぐに活用できます。必要な機能が標準ライブラリにある場合は、追加インストールなしで使えるため、開発の効率化にも繋がります。まずは主要なモジュールの使い方を押さえて、コードをシンプルかつパワフルにしてみましょう。